2013年8月19日月曜日

韓国が民主主義日本ではなく、共産主義中国の肩を持つ意味、脱米への歩み

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/08/19 10:48
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/08/19/2013081901118.html

【コラム】「悲憤慷慨型」の反日を超えて

 独島(日本名:竹島)沖を連日にわたり日本の警備艇が領海侵犯し「竹島は日本領土だ」と叫んだら、韓国はどのような反応を見せるだろうか。
 日本政府は2006年、独島周辺に測量船を派遣しようとした。
 このとき、韓国政府が「衝突も辞さない」と宣言したため、日本も艦艇派遣を検討するなどして緊張が高まったことがあった。
 領海・領土防衛は国の存在理由であり、政権の命運が懸かっている。

 これは日本も同じだろう。
 長い間日本領土と見なされてきた尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺には最近、中国の警備艇が頻繁に出没している。
 日本の警備艇が「わが国の領海から出ていけ」と警告しても、中国の警備艇は「ここは中国の領海だ」として悠々と航海し通過することが繰り返されている。
 尖閣諸島国有化から約1年たっても領海侵犯が行われ続けているが、日本はお手上げ状態だ。

 多くの日本人はこれに対し憤りを抱くと同時に無力感・虚脱感に襲われている。
 「中国は尖閣諸島を武力で占領し、沖縄までも中国領土だと主張するだろう」
とあおる動きも広がっている。
 事実、中国の一部メディアは「沖縄=中国領土」論をかき立てている。
 日本と中国の極端なメディア報道だけを見れば、両国は戦争発生の一歩手前も同然だ。

 2007年に病気を理由に首相職を投げ出し、「政治家失格」と見なされた安倍晋三首相が昨年再び首相に就任した背景にも、尖閣諸島問題が触発した中国脅威論がある。
 「強いナショナリズムを主張する安倍首相なら危機に陥った日本を救えるかもしれない」
という漠然とした期待感があったのだ。
 しかし、安倍首相も中国の領海侵犯には手の施しようがないようだ。
 「侵略の定義はない」という妄言で傷ついた自尊心を癒やしたり「強い日本を取り戻そう」とスローガンを叫んだりする程度だ。
 軍備強化・再武装を推進してはいるが、とてつもない国の負債により資金調達は容易でない。
 平和憲法改正も国内で反発が強い。

 「中国崩壊論」「中国侵略論」という誇大妄想や被害妄想に陥り、戦争も辞さないと叫ぶ極右派も、当の中国に対しては低姿勢だ。
 だから、人々がデモを行うのは中華街ではなく、コリアン・タウンなのだ。
 怒りの対象は中国による尖閣諸島付近の領海侵犯ではなく、韓国の元慰安婦を象徴する少女像だ。
 このような反韓ムード拡大の背景には、
 韓国が日本の国力低下を理由に「民主主義国」の日本ではなく、
 「共産主義国」の中国の肩を一方的に持っている
という被害意識もある。

 韓国が一部の日本人政治家のゆがんだ歴史認識を批判するのは当然のことだ。
 しかし、「悲憤慷慨(ひふんこうがい=憤慨し、嘆き悲しむ)型」の糾弾だけでは韓国の国益は守れない。
 将来が不安で、力の衰えた老人のような境遇に陥っている日本と、あふれる力を持て余している若者のような中国の反目と対立は、19世紀末の北東アジア情勢と重なって見える。
 韓国は日本と民主主義・市場経済の価値を共有し、中国とはアジアの歴史認識を共有している。
 こうした点で、韓国は北東アジアの新たな秩序構築を主導できる可能性がある。
 「歴史を忘れた民族に未来はない」という言葉が当てはまるのは日本だけではない。
 周辺強大国の勢力再編の渦中で国を奪われた経験のある韓国人こそ最も切実に肝に銘じるべきだ。