2013年7月20日土曜日

韓国:自国防衛を米軍に依存(2):韓米国防トップが正反対の立場取る統制権問題

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/07/20 10:37
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/20/2013072000497.html

【社説】韓米国防トップが正反対の立場取る統制権問題

 韓国国防部(省に相当)の金寛鎮(キム・グァンジン)長官は18日、国会内で開かれた与党セヌリ党との党政会議で
 「戦時作戦統制権(統制権)を韓国軍に移管する時期を(韓米が合意した2015年12月より後に)延期する方向で米国と交渉している」
と確認し
 「(今年2月に北朝鮮が3回目の核実験を行った後)韓半島(朝鮮半島)の安全保障状況は一層悪化し、
 米国が統制権を韓国に移管するのを見て北朝鮮が判断を誤る恐れがある。
 韓国軍が(統制権を引き受ける)能力を確保する準備も遅れている」
と語った。

 しかし、米国のマーチン・デンプシー統合参謀本部議長は18日(現地時間)、米国連邦議会上院の公聴会に提出した答弁書で
 「軍事的側面から見て、15年末という韓国軍への統制権移管時期は適切。
 統制権移管を予定通り進める案を支持する」
と記した。

 韓国軍に統制権が移管されれば、従来の韓米連合司令部は解体され、文字通り韓国の安全保障の基本的枠組みが変わることになる。
 こうした変化が、韓半島の安保状況に何らかの狂いや誤判を招くことがあってはならないというのが、統制権移管問題で最も重く考慮されるべき原則だ。
 ところが韓国と米国の軍首脳は、統制権移管の時期をめぐり、同じ日に正反対の立場を表明した。
 これは深刻な問題だ。

 金寛鎮長官は、韓国軍が統制権を引き受ける時期を延期したい理由として
★.「韓半島の安保状況」
★.「北朝鮮が判断を誤る可能性」と共に
★.「韓国軍の準備不足」
を挙げた。
 国防部はこれまで、15年12月に韓国軍が統制権を引き受ける上で何ら問題はない、と言ってきた。
 なのに、統制権を引き受ける期限まで2年5カ月残した状態で、国防部の長官が「準備不足」と本音をもらした。

 統制権とは、書類だけで引き受けるものではない。
 軍事的に重要な任務を引き受けるということだ。
 その一つ一つの任務には、大変な金が掛かる。韓国軍が北朝鮮の監視・偵察任務を引き受けるだけでも、どれほどの予算と時間が必要なのか、見積もることすら容易ではない。
 韓国軍は、こうした厳然たる事実を前にしても、政権が変わるたび、統制権問題でそれぞれ違う話をしてきた。
 韓国国民の不信を自ら招いたわけだ。
 今こそ韓国軍は、統制権問題に関する正確な実情を韓国国民に伝えるべきだ。
 国民的理解があって初めて、統制権問題を解決していく力が生まれる。

 デンプシー議長の発言から考えると、米国は、統制権を15年12月に韓国へ移管すると定めた当初の合意を容易には変えようとしない可能性が高い。
 そのため、
 韓国が統制権移管の時期を延期したいのであれば、米国側に高い代償を支払わなければならない
という話も出てきている。
 韓米同盟を進化させるための統制権移管が、逆に同盟弱体化の出発点にならないよう、双方は十分慎重になるべきだ。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/07/20 10:38
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/20/2013072000499.html

統制権:再延期めぐり韓米が30日に協議
「米国は受け入れる」と楽観する韓国政府
逆の見方も

 韓米両国政府は、今月末にソウルで開かれる第4回韓米統合国防協議体(KIDD)の会議で、韓国政府が提案した戦時作戦統制権(統制権)の韓国軍への移管時期の再延期問題をめぐり本格的な話し合いに入ることが分かった。

 韓国政府消息筋は19日「今月30日から二日間開かれるKIDDの会議で、統制権移管時期の再延期問題が本格的に話し合われる見込み」と語った。
 再延期の議論は、変化している北朝鮮の脅威のレベルや、韓国軍の統制権受け入れ能力などを総合的にチェックする形で行われるという。
 今回のKIDDの会議には、韓国側からは林官彬(イム・グァンビン)国防政策室長が、米国側からはデビッド・へルビー国防次官補代理(東アジア担当)、ブラッドリー・ロバーツ前国防次官補代理(核・ミサイル防衛担当)などが出席する。

 韓国政府の一部では
 「米国側は、最終的には韓国の要請を受け入れるだろう」
と楽観しているが、米国側が再延期を受け入れるとしても、そこに至る過程は順調ではないとの見方が浮上している。
 原則的な立場とはいえ、マーチン・デンプシー統合参謀本部議長は最近、米国議会上院の軍事委員会で行われた再指名の公聴会に提出した答弁書で
 「(2015年12月に)予定通り統制権を移管することを支持する。軍事的側面から、統制権移管の時期は適切」
と述べている。

 大統領府(青瓦台)など韓国政府が、今年5月の韓米首脳会談に先立ち統制権移管の再延期問題を実務的に打診したときも、国防総省など米軍当局は否定的な反応を示していたという。
 統制権移管の再延期は、米国の新たな国防戦略ともぶつかりかねないため、米国側が快く再延期を受け入れるのは困難、という懸念も出てきている。
 昨年初めに発表された米国の新たな国防戦略では、予算の削減に伴って統制権を韓国軍に移管し、地上戦については韓国軍が本格的に責任を負うようにして、米軍は海軍・空軍中心の支援を行うという戦略になっている。
 ところが、2015年12月以降も米国が統制権を持ち続けることになると、米国側の負担が続くことから、防衛費分担金の増額などを要求してくる可能性が極めて高い。

 韓国の専門家らの中にも、統制権移管の再延期に反対する意見は少なからずあり、議論が再燃する兆しを見せている。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/08/01 08:13
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/08/01/2013080100508.html

統制権:「移管は韓国の安保に危機をもたらさない方向で」
在韓米軍の次期司令官に指名されたスカパロッティ陸軍中将



 在韓米軍の次期司令官に指名されたスカパロッティ陸軍中将は30日(現地時間)、米国議会上院軍事委員会の公聴会に出席し、北朝鮮の戦力を尋ねる質問に対し
 「北朝鮮の指導部は核兵器などの大量破壊兵器やサイバー攻撃部隊といった特殊戦略に資金を投入しているため、在来兵器の戦力は総体的に弱体化している」
との見方を示した。
 スカパロッティ氏は
 「北朝鮮は現在、中距離と短距離弾道ミサイルを数百基保有しているものと推定している」
として上記のように述べた。

 2015年末に予定されている韓米戦時作戦統制権の韓国軍への移管について
 「日程には同意する。
 正式に任命されれば、(移管に向けた)日程通り進めるために最善を尽くしたい
と証言した。
 しかし書面での答弁書では
 「北朝鮮の脅威を現実的に考えた時に、韓国における安全保障に無用の危機を招く方向に進んではならない。
 もし正式に任命されれば、移管を成功させるための具体的な計画や条件、方法などについて韓国政府と話し合いの場を持っていきたい
との考えも示し、移管の時期が多少は調整される余地があることも示唆した。

 韓米防衛費分担交渉については
 「韓国が適切な水準の支援を行うべきだと信じる。
 米国は現状での必要な経費について調べており、両国が公正かつ適正なレベルで費用を分担しなければならない」
と述べた。
 在韓米軍基地の移転に関しては
 「駐屯する国が米軍を維持する費用を充当できるかどうかが決定的な要素だ。
 費用分担についての話し合いは責任ある立場で、なおかつ効率性を追求しながら行われなければならない」
と話した。


 つまり、
 「駐屯費用さえ出してくれれば延長しますよ
ということだろう。
 アメリカらしいラショナルな考え方である。
 韓国が中国傘下に入った今、アメリカとしては韓国に駐屯する意味はなくなってしまっている。
 よって基本的には引き上げるのがスジだが、
 「金さえ出してくれれば、イますよ
というわけである。
 それはそうである。
 費用向こう負担なら、願ったりな外国駐留であろう。
 「やめよう」
という理由が見つからなくなる。



【「底知らず不況」へ向かう韓国】


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